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2025/08/08

2025年(令和7年)8月5日(火曜日)に掲載されました⭐

2025年(令和7年)8月5日(火曜日)に掲載されました⭐ アイチャッチ

リノベブランド2棟目のモデル公開

カバー工法で断熱等級6クリア

札幌・藤城建設

今年、リノベーション専門ブランド“ウチリノベ”を立ち上げた

㈱藤城建設(札幌市、川内玄太社長)では、

7月26日に同ブランド2棟目のモデルハウとなる

『モエレアトリウム』を札幌市東区中沼町にオープン。

築32年になる在来木造住宅を、カバー工法による外壁付加断熱や壁面・屋根への太陽光パネル設置、大きな吹き抜けや回遊導線を設けた

プランの採用などによって、世代を超えて住み継ぐことができる高性能・高省エネ住宅に再生した。

『モエレアトリウム』は、昨年末に社内コンペで選ばれた

若いスタッフが、孫と豊かに暮らす実家リノベーションをコンセプトに設計・施工を担当。

定年退職を迎えた夫婦(祖父母)と柴犬1匹が暮らす家に、

幼児から小学校低学年までの孫4人が頻繁に遊びに来ることを想定し、

延床面積約41坪の3LDK+小上がり・納戸を4LDKに造り替えた。

『モエレアトリウム』のネーミングは近隣にあるモエレ沼公園と、

吹き抜けを意味するアトリウムを掛け合わせたものだ。

〇既存ALC外装の上から付加断熱

断熱・気密性を高めるにあたっては、外壁部分をカバー工法で施工することにより、廃材の発生や手間・コストを抑制。

外壁材として、構造体に直接張りされていたALC50㎜の上にフェノールフォーム(ネオマフフォーム)60㎜を付加し、透湿防止シートを張ってから通気層を設けてガルバリウム鋼板で仕上げた。柱間に充てんされていたグラウスールも、室内側から高性能16K品105㎜に入れ替え、防湿気密シート0.2㎜を張ってから内装仕上げを行っている。

また、吹き抜けになった2階の増築部分の外壁は、新設した柱の屋根側にパーティクルボードを張り、その上に45㎜角のたる木を木下地として高性能グラスウール16K50㎜を納め、ALCを張った既存外壁材と面一にした。

付加断熱や外装仕上げは既存外壁と同じだ。

床は土台・大引・根太間の既存グラスウールを高性能グラスウール16K105㎜+50㎜に入れ替え、天井はグラスウールブローイング350㎜、窓はすべてトリプルガラスサッシとし、Ua値0.23と断熱等級6をクリアする断熱性能を確保した。

暖房に関しては、既存の灯油設備を生かしてFFストーブによる全室暖房とし、2階には補助暖房兼冷房用として寒冷地エアコンも設置。

給湯は石油効率給湯器のエコフィールを採用した。

換気は第3種換気を全熱型の第1種熱交換換気システムに変更。

このほか、屋根に約6.97kW、建物正面の外壁に約2.79kWの太陽光パネルを取り付けた。

万が一、冬季に災害などでブラックアウトになっても、外壁面の太陽光パネルで発電した電気でFFストーブを運転できるという。

社内コンペにも参加した現場担当の矢野玲奈さんは『既存の図面では施工されているはずの断熱材が入っていなかったりなど、

現場での対応が大変なこともあったが、構造体そのものは状態が良かったのでスムーズに工事を進めることができた。

このモデルハウスから、リノベーションでも新築以上の住まいが現実できることを広く発信できれば』と話す。

〇2階を一部増築し、大きな吹き抜けに

プラン面では、片流れ屋根となっていた部分を増築して創り出した大きな吹き抜けが大きな特徴。

リノベーション前の1階のリビングの一部と小上がりは、片流れ屋根がかかった天窓付きの吹き上げ天井となっていたが、天窓周りで発生していた雨漏りや落雪処理の負担を解消するため、新たに2階部外壁部分に柱を施工。

屋根全体も小屋組みを含めて緩勾配でかけなおすことによって吹抜けを実現し、リビングの開放感W大幅に高めた。

社内コンペでは選ばれた設計担当の大橋里帆さんは『吹抜けとする増築部分は確認申請不要な10㎡以内とし、工期の短縮や確認申請にかかる手間と費用の省略につなげている。この吹抜けが1階と2階をゆるやかにつなぐことで、遊びや泊りに来た孫たちの気配がどこにいてもわかる空間になれば』と話している。

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